さよなら 丸の内 TOEI

【舞台挨拶オフィシャルレポート】『スケバン刑事フェスティバル in丸の内TOEI』斉藤由貴 さん、南野陽子 さん、浅香唯 さん登壇!80年代スケバン“麻宮サキ”奇跡の集結!

6月7日(土)に『スケバン刑事フェスティバル in丸の内TOEI』が開催され、斉藤由貴 さん、南野陽子 さん、浅香唯 さんが登壇しました!80年代スケバンを演じた三人が「スケバン刑事」関連のイベントでお客様の前に揃うのは今回が初めて。奇跡の終結が叶った本イベントは、二階席まで超満員のお客様と大集合したメディアの熱気立ち込める濃密な時間となりました!

【オフィシャルレポート】

80年代スケバン刑事の歴代主演キャストが作品シリーズの関連イベントでお客様の前に登壇するイベントは今回が初めてとなる。MC荘口彰久の呼び込みによって丸の内TOEIの舞台に登場した斉藤由貴、南野陽子、浅香唯は会場に溢れる割れんばかりの大きな拍手に包まれながら、少し緊張しながらも嬉しそうな様子で満席の会場を見渡し、笑顔をこぼした。

まず、初代“麻宮サキ”を演じた斉藤由貴は「本日はこのような素敵なイベントにこのような機会で呼んでいただけてとっても嬉しいです。短い時間ではありますが、お二人とご一緒にステージに立つ日が40年後に来るなんて夢にも思わなかったので、本当に私自身がワクワクしています。お二人もよろしくお願いいたします」と挨拶。

続いて二代目の南野陽子は「皆さんこんにちは、“麻宮サキ”です」と呼び掛け、「40年という時を経て、こうして皆で会えて、本当にワクワクしています。三人は同じ役ですけれども時期が違ったので当時はなかなか会うこととかはなかったんです。なので、40年経ってこんな素敵な時間が持てるのだということで本当に嬉しく思います。本日はよろしくお願いします」と挨拶。

三代目の浅香唯も「皆さんこんにちは…風間唯です!」と会場に呼び掛け、「私は、初代そして二代目に続いて三代目をやらせていただくということで、当時大変なプレッシャーでした。そして、その方々とこうして同じ壇上に並ばせていただく日が来るというのは、本当に感慨深くて光栄で嬉しいです。今日この日を楽しみに待ってくださった方がたくさんいらっしゃるという風にお聞きしました…私も(!)その中の一人です。ということで、短い時間ではございますが、最高に楽しませていただきたいと思います」とこの日を楽しみに待ち望んでいた気持ちを表した。

1985年に「スケバン刑事」第一作目が放送されたたため、今年は放送開始40年の節目(原作連載開始からは50年の節目)にあたる。そんな節目に「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトの一環として、こうして初代・二代目・三代目の三人が勢ぞろいすることについて、改めて今の気持ちを聞かれると、斉藤は「当時はそれぞれがそれぞれデビューしたてで、先ほどバックヤードでお話していたらデビューが同じ、それぞれが今年40周年で(※ここでMCから「おめでとうございます」と呼び掛けがあり会場から拍手が上がる)とても感慨深いなと思いつつ、その当時は一緒に話す機会も全然なかったし、何よりお互いまだ殻があって、緊張してて、心を開いて自分からっていうのが、特に私は難しかったです。だけど月日が経って、お互いに“いい歳”になって、そうしたら変な殻とか関係なく『わあ、久しぶり』『最近どう?』と言い合える、フランクに、ワクワクして話すことができるようになったのは、『あ、歳をとるって、いいことだな』だなんて、今日お二人にお会いできてすごくそう思いました」と語り、南野は「当時、まあほとんど40年前ですけど、ヨーヨーの受け渡し式で由貴ちゃんにお会いする機会はありましたが、なかなかお話しするような機会はなくて… 歌番組とかもそれぞれは現場があったりしたんですけど当時は生放送の番組が多く本当にドタバタしていて、同じ現場でも喋ることはなかったです」と受けながら、途中「あ、二階の人~!やっと上が見れた」と少し緊張もほどけてきたのか笑顔を見せつつ、「当時は喋れなかったけど、一緒に毎日いたわけじゃないけど、まるで毎日いた人のように顔を合わせて喋れるようになったので、その関係は素敵だなと思います」と話した。そして、三代目を演じた浅香が「私から言わせれば、由貴さんがワクワクしてくれるとか、陽子さんがドキドキしてくれるとか、そんな嬉しい言葉はないなというくらい、やはり後を追いかけていた者としては同じ気持ちにはなりにくいです。デビューは同じで、40周年で、というのはありますが、大先輩という感じがしてならないです」と話すと、南野もすかさず「ちょっとわかる。私も由貴ちゃんって大大大先輩って感じがするもん」とほほ笑む。二人から「大先輩」とやり玉にあげられた斉藤は、「たまたま初代だから真ん中に立っているだけ」とたじたじ。「でも、お二人の話を聞いていて思ったのは、『スケバン刑事』というのは今でこそ皆さんにすごく受け入れていただいて、当時ひとつの大きなブームみたいにもなりましたけど、蓋を開けるまではどうなるかわからないみたいな特殊な作品だったと思うんですよ。『え、こんな感じの物語?』っていうところに私たち三人は飛び込んでるわけですよね。その特殊な物語に、三人とも震えながら飛び込んで全力を尽くしていたと思う。初代・二代目・三代目とかありますけど、そういうことは関係なく、皆さん一緒に全力で戦った同士だなと思います」と続ける斉藤に、南野、斉藤も深く頷いた。

初代から始まり、人気が止むことなく二代目、三代目とバトンタッチされていった“麻宮サキ”という役について、「スケバン刑事」出演が決まった時のことについて話が及ぶと、斉藤は「私はね、イヤでした」とニッコリ笑顔で、会場の爆笑をさらった。続けて「イメージと合わないと思った」と話し、「原作で描かれた“麻宮サキ”とあまりにもビジュアル的にもかけ離れていたし、駆け出しのアイドルでこれから頑張らなければならないから、というのがあったのも何となく素人なりにも分かって、『なんだか私じゃない』という気がして、モヤモヤしたんです」と明かしました。「でも、マネージャーさんにしてみれば、連続ドラマの主人公=主役だから、絶対取りたいお仕事だと思ったと思うんです。ただ私は、最初は…困りましたね」と少し表現を和らげて話すと、南野も「私も最初は困りました」と苦笑いで同意。「マネージャーからは『学園モノが決まったよ』と遠回しに聞かされました。斉藤由貴ちゃんのヒットの後だったのでかなりビビッてしまったところもあるし、運動がちょっと苦手なのでアクションシーンへの心配もありましたし、台詞も土佐というかよくわからない言葉だし、仮面を被るし… 本当に撮影が始まるまでは想像ができなくて大変でした」と振り返る。浅香は「私はお二人とは全く違っていて、大ヒットシリーズのオーディションということで参加したのが第一歩目。南野陽子さん版の『スケバン刑事』の台本を読む、というのが当時のオーディションでおこなったことですが、土佐弁で書いてあったので本当に意味がわからない(笑)私は出身が九州の宮崎でしたので、土佐弁に故郷の宮崎弁をかけてオーディションに挑み、逆にそれが監督さんやプロデューサーさんに『無邪気だな』とウケたようですが、オーディション当時はまったく手ごたえはなく、みんながケタケタ笑って終わったので、まさか合格するとは思ってなかったですね」と貴重な裏話を明かした。

撮影当時を振り返り大変だったことを聞かれると、斉藤は「もちろんヨーヨーですね」と即答。その理由として「当時はフィルムで撮影していたので、重ね撮りができない。撮ってNGだったらその瞬間から廃棄物になってしまうんですね。つまりNGを出せば出すほど予算を圧迫していくわけなんです。私、ヨーヨーのシーンで26回NGを出したことがありまして…」と振り返る。「だって、考えてみてくださいよ。歩きながら、ヨーヨーを上げ下げしながら、前を見て、セリフを喋る… いっぺんに難しいことをやるなんて、私は聖徳太子ではないですから(笑)それでそのシークエンスでNGを26回出して、監督さんとかスタッフさんの表情が真っ白くなっていたのを覚えてます」と話すと、南野が「でも、26回まではNG出して大丈夫と私は言われていた」と打ち明けると登壇者含め会場は大笑い。どうやら伝説のNG回数になっていたようだ。ヨーヨーの難しさについては南野も「毎日100回、投げては戻しを繰り返し練習して、ようやく色々な遊びができるようになってきた」と話し、浅香は「ヨーヨーをやるということは分かっていたので、皆さんの映像を何回も見させていただいて、何回も練習して研究していました」と明かすが、「ただ一つだけ、決め台詞を言って投げた後のヨーヨーって自分に戻ってくるじゃないですか。そのよけ方だけはわからなかったです」と二人を見遣ると、斉藤は「投げて戻ってきて、けっこう顔に激突とかありましたよ」と衝撃の告白。さらに南野から「ヨーヨーって今のものと違って、横に投げたら簡単には戻ってきません!投げたらこうやって(※ぐるりと後頭部へ回り込むような手振りで)戻ってきたりするんです」と解説があると、「そうそう」「あったあった」と謎の盛り上がり。ちなみに斉藤はカメラアシスタント(※フォーカスを測るためにカメラマンの横にいる)にぶつけたこともあると明かし、「色々あったけど、おもしろかったですよ」と笑顔で話すと、満員の会場からも笑いがあがった。

さらに、『仮面ライダー』シリーズでも知られるスタントチーム大野剣友会の手掛けるアクションシーンの思い出を聞かれると斉藤は「40年経ったし言ってもいいと思うんですけど」と前置きしつつ、「バイクに乗って革のジャケットを着てフルフェイス、となっている時は、プロの方がやってくれてました」と吹替を告白。「それ以外のところはプロの皆さんに教わりながら、すみません…と思いながら私がやっておりましたが、ただ、そういうところでこういったアクション作品の様式美的なところをすごく勉強しました」と話した。南野はヨーヨーを投げる際のポーズについて、「映画の時かな、威力が増すヨーヨーに設定の変更があり、その投げ方を自分で考えなさいという風になったんですね。それで、自分で考えて、大野剣友会つまり仮面ライダーチームですよね、そこのトップの方に見せに行くんですけど、見せても何も言ってくれない…みたいなことは何回かありました。それを受けてチームの人たちと改めて考えて、決まるまで提案し続けて…」と大変だった記憶を回想。続いて浅香が「忘れちゃいけない、私、忍者設定だったんです」と話し出すと会場からは笑いがこぼれつつ、「忍者走りや忍法についても勉強をするということで、撮影に入る4か月前から特訓がありました。忍者のような動きとか殺陣とか。基本的な蹴りや受け身などもやりましたね。監督としては“山猿”をイメージしたそうで、そこを買っていただいたかなと思ってましたね」と話すと、斉藤からは「あの頃、こげて(※日焼けして)ましたよね」と若かった10代の頃の姿を振り返る場面もあった。

懐かしの貴重なエピソードが語られ会場のボルテージは最高潮かと思いきや、「スケバン刑事」といえばのアイテム「ヨーヨー」について話が及ぶとファンの熱気はさらに高まった。スタッフが運び入れたヨーヨーをそれぞれ手に取ると、懐かしそうに観察する三人。今日のイベント用で準備されたヨーヨーだったが、斉藤は「少し重いかも」と感想を述べ、南野は「撮影の際は基本的には競技用のヨーヨーに塗装を加えたものを使用していましたね」と解説を挟みながら懐かしむ。ヨーヨーにはその他にもさまざまなバリエーションがあったそうで、少し大きめの化粧用コンパクトを改造して、パカっと開けると桜の代紋が出てくる仕掛けになっていたものもあったそう。浅香は「私の時はこの大きさ(※今持っているもの)で統一されていたので、今、お話を聞いて、『え、大きかったんだ』とびっくりしました」と興奮。ヨーヨーで思い出すことと言えばという質問に南野は「原作の和田慎二さんが、ヨーヨーおじさんという役で映画に出てくれたときは、私を認めていただいたようで嬉しかったですね」と話した。また、ヨーヨーではないものの、思い出したこととして、南野が「東映を代表する『仮面ライダー』のアクションと当時ヒットしていた『鬼龍院花子』の土佐弁を組み合わせたのが二代目“麻宮サキ”。東映を背負いましたね。でも、そうでもしないと由貴ちゃん一作目にはかなわないと、そう思ってたんじゃないですかね」と話し、斉藤が「私は初代だったから原作に準拠して、大幅に逸脱しないようにとやっていただけ。パート2の話になって、せっかくやるならヒットしたいと皆さん企画会議で頭をひねられたと思うんですけど、それで通っちゃうのが凄いですよね」と受けると、南野は「東映だもん」と一言。会場は笑いに包まれた。また、浅香は「当時小中学生の子どもたちが放送を見てくれていて、撮影の時も集まってきてくれてたんですけど、街中とかでも声を掛けてきてくれたとき用にポケットにいつもヨーヨーを忍ばせていました」と明かし会場を驚かせた。斉藤からしみじみと「なんか、すごく、いい人ですね」と言われると、浅香は「寝てる時もヨーヨーを抱いて寝ろ、と言われていたので」と真摯な姿勢を見せた。南野も「運動が本当にできなかった。毎日ヨーヨー100回練習もそうですし、でんぐり返しも毎晩寝る前に布団の上でやってましたね」と懐かしむと、斉藤は「いやあ…二人ともすごいですね」と驚きながら感心。そんな斉藤は「自分の台詞や設定を自分の中で落とし込むということに精一杯でしたね。お二人とも素晴らしい」と南野、浅香を称えた。

さらにここでMCより、三人それぞれに「決め台詞」を言っていただきたいリクエストが。「やめときます」(斉藤)と照れつつ、さらに促されると各々スタンバイ。

斉藤由貴「てめえら、許さねえ!」

南野陽子「おまんら、許さんぜよ!」

浅香唯「せからしか、きさんら許さんわい!」

と、それぞれに台詞を決め、そのたびに満員の客席からは拍手喝采が轟いた。やはり放送開始40年という歴史を感じたのか、浅香は「恥ずかしい!」と絶叫。盛り上がり止まない中、イベントはフォトセッションの準備となり、三人は一度降壇となる。

そして、このタイミングでMCより発表されたのは、80年代を代表する人気シリーズ「スケバン刑事」がついに完全Blu-ray化されたという解禁情報!

斉藤由貴主演の「スケバン刑事」を皮切りに、南野陽子主演の「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」、浅香唯主演の「スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇」のシリーズ3作を、HDリマスター版のBlu-ray BOXで2025年9月より順次発売していく。歴代スケバン刑事たちの伝説の戦いが、40年の時を経て、今再び色鮮やかによみがえるということもあり、会場に訪れたスケバンファンからは大きな拍手が沸き起こった。その熱気冷めやらぬ中フォトセッションとなり、ふたたび登場した三人の手にはもちろんヨーヨーが!

あっという間に最後の挨拶の時間となり、「閉館まであと50日」の足元看板を前にした三人にあらためてマイクが渡された。

斉藤は「本日は記念すべき素晴らしいイベントの一日に来ていただき感謝申し上げます。それぞれに、だと思いますけど、東映、そしてこの東映会館にはすばらしい思い出がたくさんあります。朝早く、ここ(※東映会館)で眠い目をこすりながら支度をしてロケに出かけた記憶とかもあります(笑)閉館でなくなってしまうのは寂しいですけど、新しいステップに行くのだと思うと、とても感慨深いです。この後まだ陽子ちゃんと唯ちゃんの素晴らしい映画が上映されると思いますけど、最後までどうぞ楽しんでいってください。ありがとうございます」と挨拶を送った。

南野は「この丸の内TOEIは65年の歴史ですが、その間の40年という日々の中、節目節目で私もこの場に立たせていただいて嬉しく思っています。もうここに立てなくなるんだと思うと少し寂しく思うんですけど、でもそのラストに『スケバン刑事』の三人でここに来られたことは宝物だな、続けてきてよかったなとも思います。また作品はずっと続いていくし、パッケージも発売されるみたいなので、これからもチェックしてほしいです。今日は本当にありがとうございました」と一礼。

浅香は「本日はありがとうございました。私自身、斉藤由貴さん、南野陽子さんと並んで登壇できたことは光栄ですし、有り難いことですし、こんなに長いこと愛してもらえる『スケバン刑事』って本当にすごいんだなと改めて知ることができました。40年ほど前のドラマ・映画ですが、みんなが一生懸命作った、魂のこもった素晴らしい作品になっているので、いま見ても決して色あせることはないと思います。どうか皆さん最後まで楽しんでいってください」と呼び掛けた。惜しまれながら、いつの日かまた三人が集うことも期待して、三人は今日一番の大きな拍手に送り出されイベントは終了となりました。

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