丸の内TOEIの壇上に弁士台や演台、高座が出現!活弁・浪曲・講談と映画が交錯するかつてない劇場体験に!
この度5月17日(土)の映画『次郎長三国志』(1963)の特別上映に際し、活動弁士・坂本頼光、浪曲師・玉川太福(曲師・玉川みね子)そして講談師・神田伯山ら現代を席巻する演芸の風雲児3名が丸の内TOEIに集結。『清水次郎長』をテーマにした貴重な演芸イベントを開催し、超満員となった丸の内TOEIを沸かせた。

【オフィシャルレポート】
当日丸の内TOEIでは、一夜限りの特別イベント『演芸次郎長三国志~活弁、浪曲、講談で時代劇映画の原点に回帰する~』を開催。活動弁士・坂本頼光と浪曲師・玉川太福、講談師・神田伯山らが『清水次郎長』をテーマに熱演を繰り広げた後、マキノ雅弘監督の『次郎長三国志』(東映版/1963)を上映した。演芸と映画上映を前に坂本、玉川、神田の3名が登壇し、盛大な拍手の中で挨拶が始まった。
最初に坂本頼光から「本日は悪天候にもかかわらず、沢山のお運びを賜りまして誠にありがとうございます。活動弁士の坂本頼光でございます」とご挨拶。
続いて神田伯山からはご挨拶早々、お客様へ「今日はどういうお客様の層がいらっしゃるのか?リサーチをしたくてしょうがない!」と問いかけがあり、「演芸(を観ることが)初めての方は?」と挙手を求めると、ごく少数のお客様の手が挙がった。これには神田伯山もすぐさま「じゃあ、あとはもう常連ですね」とツッコミを入れ、さらに玉川太福からも「ということはあまり(演芸に)新鮮でない(常連のお客様)ということで」と二人の小気味よい掛け合いが繰り広げられ、早速会場を笑いに包んだ。
さらに玉川太福は続くように「それでは、常連の皆様にも新鮮な気持ちで今日は浪曲をお届けしたいと思います」とボケを重ね、拍手と笑い声が響いた。
その後フォトセッションの準備中には、閉館が迫る丸の内TOEIにも話が及び、神田伯山が一言「丸の内TOEIが終わっちゃうからね」と発すると、坂本頼光が劇場へ向けて「さよなら!」と手を振る一幕も。さらにフォトセッション時には、サプライズもあった。
神田伯山より「これはお客様は撮らないのですか?」との声かけに会場がざわつき始める。MCが「よろしいのですか?」と3名に訊き返すや間髪入れず「全然いいですよ!」と答えると、会場の盛り上がりは最高潮に。突然ながらご来場されたお客様への撮影タイムが設けられた。
お客様による撮影の間、一階席の上手から下手へと順に目線を送っていると、客席からの「こちらにも目線お願いします!」との声かけに「プロっぽいね!」と反応。お客様との温かいやり取りもあった。さらに、二階席へ目線を移す際には神田伯山が「二階席はいいんじゃないの」といじり調子で提案するが、坂本頼光から「それは冷たすぎるって!」とツッコミ、客席からも笑いの声が沸いた。お客様による撮影タイムが終了後には、その後の講談中に携帯が鳴らないように、「必ず(電源を)オフにしてくださいね」と玉川太福からしっかりとお客様へ向けて注意を促すことも忘れなかった。

降壇の直前、MCから坂本頼光が手に持つDVDへ質問が及ぶと、「これは、今日上映する『次郎長三国志』のDVD(デー・ブイ・デー)です!」と来場したお客様の世代を意識したコミカルな返しで、会場を爆笑させた。さらに続けて、物販エリアで購入ができることを告知。するとすかさず神田伯山が「え!?こちらお幾らですか?」と訊くと、坂本頼光が「これはね…2,000円!」と答えた。神田伯山との即興劇に、坂本頼光も「安い!東映ニュープライスだって!」と会場を盛り上げようと試みるも、観客は笑顔で見つめるのみ。観客のリアクションが予想に反したのか神田伯山が「2,000円なのに全然盛り上がらない」とぼやくと、再び会場が笑いに包まれた。
そして、満席となった客席からの拍手に見送られながら挨拶は幕を閉じた。